蕎麦打ちのお話・そば粉について

前回から蕎麦打ちののお話を書いています。第1回目は「道具」についてでした。今日はそれに引き続き、「そば粉」についてお話したいと思います。

 

・そば粉一般

 スーパーに行きますと、小麦のの隣に1種類位はそば粉を売っています。だいたいオーストラリア産のそばです。安いですし、もちろんこれでも打てますが、香りがいまいちです。これは、そばの品種の問題と、収穫・蕎麦がらからの分離・製粉のそれぞれの時期から時間が経って劣化していることが原因です。そばは年に1回しか収穫できません。一般には秋に、そして寒冷な地域では夏に収穫となります。そしてこれを1年中使うわけですから、その後の保管設備も重要となります。これは一般に粉屋さんの仕事です。そして、そばを打つ前日辺りに蕎麦がらからの分離・製粉が出来れば理想的です。良い産地のそばでこのように引き立ての蕎麦を食べると、蕎麦を口に入れた途端に香りが鼻に抜けるのが分かります。こんな蕎麦をごちそうになるときは、盛られた蕎麦の半分近くをつゆに付けずに戴くことで、香りを楽しんでしまいます。ただ実際私のような趣味レベルでは、自分で殻を飛ばして、さらに石臼で挽くという設備を持つことが難しく、粉屋さんで買う粉の鮮度を信用するしかありません。

・そばの産地

 そばの産地ですが、よく聞くのは北海道産です。先ほども書きましたが、気候の関係から北海道の蕎麦は夏に採れます。「夏蕎麦」といいます。お蕎麦屋さんで夏から秋に入るころ「新蕎麦入りました」という張り紙を見つけますが、これはすべて北海道産です。内地(本州の)蕎麦はそれから1~2カ月遅れて収穫されます。「秋蕎麦」です。よく聞く産地は、茨城県福島県、長野県辺りが有名です。どこのも良いそばですが、実は茨城県産特に金砂郷(かなさごう 現在は合併により茨城県常陸太田市)産と呼ばれているものが、最高級なんだそうです。まだ私も食べたことないですし、金砂郷産の粉は手に入らなかったです。粉屋さんで茨城県産の粉を分けてもらったことがありますが、聞いたら筑波山麓産ということで、金砂郷産ではなかったです。しかし値段は当時、北海道産がキロ1000円だったのに対し、この茨城県つくば山麓産はキロ1400円と高額でした。そしてこれは粉の性質なんだと思いますが、北海道産に比べて打つのが難しい粉でした。粉がつながりにくかったです。しかし、香りは抜群に良かったです。

・そば粉の種類

 収穫したはその一番外側が真っ黒な「そばがら」、最近少なくなりましたが「そばまくら」を作るときに使う部分です。そしてそのそばがらを取ると、丸いそばの実である「丸抜き」と呼ばれる部分が出てきます。そばがらを取らずに挽いて粉にすることもあります。蕎麦を食べるとき蕎麦に黒い小さな点々がある場合がありますが、これがそばがらです。そして丸抜きの断面をみてみますと、地球の断面が「地殻」⇒「マントル」⇒「核」と変わるように、性質の違う部分に分かれます。一番外側はそばの香りが強いのが特徴です。蕎麦屋さんで「田舎蕎麦」というメニューがありますが、この部分を多く用いた粉で作られています。蕎麦は黒っぽく、噛んだとき「歯ぬかり」と表現される独特の食感があります。次に真ん中の部分ですが、色はグレー、香り、食感も程よく、主にこの部分が手打ちそばでは用いられます。一番内側の部分ですが、色は白く、粘り気がほとんどありません。また普通の打ち方ではまったくつながりません。蕎麦屋さんで「更科そば」というメニューを見かけることがありますが、この部分を使っています。真っ白な蕎麦です。粉本体が香り等の主張をほとんどしないので、これ以外でも「茶そば」とか「ゆずそば」などのように、別の粉と合わせても使われます。これ以外の用途として、伸ばしたた蕎麦を畳んで切るとき、畳んだ面がくっついてしまわないよう、その間にまかれたりもします。「打ち粉(うちこ)」といいます。水に触れても全くねばらない特徴を使っています。この打ち粉は蕎麦をゆでる時までは、蕎麦にくっついていますが、ゆでる間に麺から離れ、湯の温度で若干のとろみが出てきます。この状態のゆで汁が「蕎麦湯」です。ただし蕎麦屋さんによっては、このゆで汁を提供するのではなく、ゆで汁用にそば粉そのままをお湯に溶いて、香りの強い蕎麦湯を出されるかたもいるようです。

・粉屋さん

 蕎麦打ちを始めたばかりの頃は、粉をどこで手に入れたらよいのか分からず、行きつけの蕎麦屋さんに勇気を出して聞いてみました。そこで快く教えて戴いたのかこの2軒でした。両方とも埼玉県鴻巣市にある会社です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

 

【長島製粉さん】

「深山(みやま)」という北海道産の粉を使ったブランドが長いです。とてもつながりやすい粉で、保存設備がよいのでしょう、1年を通してバラつきがほとんどないです。以前はキロ1200円でした。

www.nagasima-seifun.com

【松村製粉所さん】

各地の粉を扱っています。私は茨城の粉にこだわっていたので、こちらで随分購入しました。休日なのに無理に粉を作ってもらったこともありました。

www.rakuten.co.jp

 

今日は蕎麦のお話のうち、「そば粉」についてご案内致しました。次回は「つゆ」についてお話したいと思います。